
心が揺さぶれる映画であることは間違いなかった。
時間も長いと言われているが、むしろもう少し物語を深く描く時間があっても良かった。
細部にまでこだわってるであろう衣装の美しさ。CGを使わない美しい背景。
美しい日本の背景や物語を外国に作られてしまったと思った。
そして、服を”脱がす”事で愛を表現する欧米人に対し、
この映画では服を”着させる”事で日本的愛を描いている点が素晴らしかった。
渡辺謙は確かに良い演技をしている。
しかし、真田広之の所作振る舞いの美しさは目を見張る。
この映画の悪い所は、最後のシーン(結末)を想像させなかった点である。
あれは観客に委ねるべきであったと思う。
そこに”粋”な計らいが欲しかった。
この作品はアカデミー賞も取るのではないかと言われている。
渡辺謙やトム・クルーズが個人の賞を取るのはありえるかもしれない。
しかし、作品賞は無理だと判断する。ノミネートすらしないかもしれない。
なぜなら、戦争中である今日のアメリカが外国を題材にした作品に賞をあげるとは思わないからだ。
今、彼らが望んでいるのはアメリカのためのアメリカらしい映画であるからだ。
作品の良し悪し以外の基準で作品が評価されるのは悲しいが、アカデミー賞はアメリカの賞なのでしょうがない。
僕は何度も倒れた馬に賞をあげたい。
何頭も何度も倒れてよい映画を盛り上げた彼らの功績は小さくないからね。
心理描写は少ないが故に浅いのにも関わらず、ちゃんばらアクションというハリウッドが好みそうなシーンに時間を費やしてはいたが、全体としてはまぁまぁの映画であった。
同じ位の制作費を使い日本映画を取ったら、我々日本人がもっと感動できる作品が出来上がることは、間違いない。
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