W杯は決勝トーナメントが行われており、俄然面白いしスリリングである。
何より、ここに日本がいないことが僕は悔しい。
しかし、誰の目からも明らかなように、決勝トーナメントに進出したチームと日本の差は大きい。
決勝トーナメントに進出したチームで観ていてすごいと思った事は
オランダのプレスの早さとイタリアのディフェンス力である。
2002年からの4年間で、他国との差が余計に広がってしまったのかもとすら感じてしまう
前回の日記で僕は「日本人全体がサッカーについて、ある一定レベルのコンセンサスを共有する必要があるのだと思う。」と述べた。
これはどういうことか??
日本代表が強くなるために必要なことに関連させて述べてみたいと思う。
・決定力
まず、誰もが感じるところではあるが「決定力不足の解消」である。
マスコミも同様の事を述べているが、彼らの多くは基本的にカテゴライズしただけで安心しているだけであり、一種の思考停止である、という事に注意が必要である。
では、決定力不足の解消とは具体的には何かというと、当たり前だが決定機における技術である。
これはFWだけの問題ではない。
もちろん、メンタル的な部分もあわせてこれからの日本人選手にはフィニッシュの技術力を向上させるためのケアが必要がある。
しかし、それだけではなく、MFのセンタリングの精度の向上なども必要であろう。
また、単に走るのではなく、ポジショニングの重要性の認識が必要である。
観直せる人がいれば今大会のオランダのプレスにおけるポジショニングを観てほしい。
その美しさと素晴らしさと力強さとが認識できると思う。
・DFの人材育成
イタリアの試合を見た人はわかるだろうが、彼らのデェフェンスは凄い。
もう少し具体的にいえば、受身ではなく、積極的(攻撃的)に守備をしているといっても過言ではない。
相手がシュートを打つときに体を擲(なげう)つ様は観ていてウットリするほど芸術的である。
一方、日本のDFはどうだろうか?
日本代表で唯一海外に行けてないポジションは、そうDFである。
もちろん日本は欧州などに比べて体格的に劣るといえる。
しかし、スペイン代表にプジョルという選手がいるのだが、かれは179CMである。
別に、今の日本人DFのレヴェルが低いといいたいわけではない(実際低いが・・)。
言いたい事は、もっと日本人はDFを観るべきであるということだ。
日本代表の試合を観ていればわかるが、日本のゴールシーンの前後では観客の声援が凄いが、
DFの選手が良いポジショニングや素敵なカットをしても、そこまで拍手は起こらない。
イタリアのリーグやイングランドのリーグではDFの選手が良いプレーをすれば、凄い拍手が起きる。
こういうコンセンサスを日本人は共有する必要があると思う。
DFの選手はFWの選手と決定的に異なる点がある。
それは、FWの選手がシュートを外しまくっても1点決めれば英雄になれるのに対し、
DFの選手は1回のミスも許されないという事だ。
なぜなら、1回のミスが失点に直結するからである。
そのために、DFは試合に集中する。
強国のDFの選手を観てほしい、彼らは試合終盤に足がつっても、たった1回のミスをしないために走りまくる。
凄い精神力だと思う。
なぜ彼らは足がつろうとも走り続けるのか??
それは、長い歴史の中からDFの犯すミスの重要性を総体的にも個人的にも知っているからであり、
観客が良いプレーにはきちんと賞賛してくれるからである。
よって、僕らはもっとDFの選手を賞賛すべきであるし、
近い将来、有能な日本人選手がDFも志望してくれるようになる日を僕は待っている。