
よくテレビで見かける井筒和幸監督の作品やね。おもろい映画やった。
この映画は多分「偽物と本物」というのがテーマやと思う。
ある場面で主人公の西田敏行がジェームス・ブラウンのものまねをする場面があるねんけど、
その瞬間、本物をしのぐ輝きが感じられ、ある意味で本物より美しく思えた。
偽物が、傍目には滑稽に見えつつも一生懸命に本物に近づこうとする姿、それもひとつの本物やね。
また、ヤクザの親分である西田敏行に子分たちが慕うさまは、血のつながっていないヤクザの親分子分という「偽者家族」が本物の家族の関係を超えた関係として描かれているように感じたね。
そして、タイトルとなっている『ゲロッパ!』とは、ジェームス・ブラウンの「セックス・マシーン」という曲でのフレーズである「Get up!」のこと。
映画とは娯楽。
娯楽とは人を楽しくさせ、元気を出させるもの。
つまり、これを観てみんな元気に立ち上がれというような意味も込めたタイトルを監督はつけたのではないかと思った。
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