映画
「さや侍」を観ました。

松本人志監督の3作目。
大絶賛出来るかといえば、微妙な部分もあります。
映画としては奇をてらう事のない作品ともいえますが、
色々模索していると感じられる作品でもありました。
しかし、全体としては、まぁ、面白くない事はないけど、
すごいお勧め出来るかといえば、微妙だという作品でした。
今回は、内容にも触れます。
ネタバレしてますので、ご注意ください。始まりはぶっ飛んでいて、好感触!!
死なない(死ねない)男の話なのだと思っていました。
死なない男が恋をして、子を授かってしまった。
子どもはいつか自分より老けて、死んでしまう。。。
自分は死ぬ事を許されない体である。
どうせ自分以外の人は、遅かれ早かれ死ぬのである。
そんな光景を今まで嫌という程観てきた。
だからこそ、切り合ってまで命を落とす事はない。
そのような信念から、刀を捨て、鞘のみ腰に提げている「さや侍」なのだと。
そのような話だと思いきや、
全然違った!!
しかも、普通に死ぬし。。。
首飛んだ後、あの魔法の薬草つけたらいいんちゃうの?娘さん。
映画として破壊すべき所と、無難にまとめようとした所の
選択を誤った結果、監督の意図とは大きく外れた作品に
なっていると信じたい。
あのオープニングのぶっ飛び感のまま走り抜けて欲しかった。。。
また、描く必要な所が抜けている一方、
不必要な所が描かれていたりします。
例えば、当時の「侍」という立場、地位、回りからの目など
効果的にを使っての面白い箇所があるんです。
しかし、絶対描いておかなければならない事が描かれていないのです。
それは、「他の侍はいつ腹を切ったのか?」という点です。
この情報が描かれている作品と描かれていない作品とでは、
映画自体の面白さも、侍とはという基盤となる部分にも説得力がなくなります。
その一方で、不必要なものが描かれているといえば
最後らへんなんか、良いシーンなんですが、
個人的には説明過多に感じました。
そこは観客の解釈に任せてよいだろうと。。。
他方、良かった点としては
主人公と娘とのやり取りが非常に面白かったですね。
言葉使いも含めて。
また、笑いの解説書のようなやりとりもあり、
ある意味映像版「遺書」のような作品だと感じる所もありました。
主人公が色々やってる所なんか
松本監督が撮影しながら笑ってる姿が目に浮かびましたよ。
その一方で、泣ける所もあり(最後のところではないです)、
悲哀を伴うからこそ笑いはあるし、その逆もまたしかり。
という人生訓は感じられました。
松本人志監督という事を意識しなければ、
普通に面白い作品だと思いますので、
レンタルしても損はしない作品だと思います。
公式サイトは
こちらです。